Classici giapponesi con furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Leggi スウィス日記 (スウィスにっき) di 辻村 伊助 (つじむらいすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 216.275 caratteri · 410 schermate
オーベル・ピンツガウ Ober-Pinzgau
の悪い村である。まあこの近所の取りどこは、シュミッテンホョーエの展望台ぐらいなものだが、それもやっと二千米突に足らないし、第一、見える山と云うのが、一番高いんでさえ、三千七百米突のグロース・グロックナー、その外はやっと三千米突そこそこだから、登るんなら兎に角、遠くから眺めたばかりじゃ物足りない。天気は悪し、疳癪のやり場に困って、雨の中をびしょびしょ水ぎわをうろついて見たが、鉄道工事で掘りっかえした往来は歩けず、よほどこのままウィーンまで行ってしまおうかとも考えたが、何にしても一先ず宿へ帰った上のことと、また停車場に戻って来た。
そのうちに夕飯になる。食いものは随分まずい、酒も墺太利流に、水でも割らなければ飲めないような酸っぱい奴で、ラインやモーゼルよりも更にまずい。汽車さえあれば、今夜のうちに発つつもりで室に帰ると、ヒーターに蒸気が通してあって、ぽかっとした室の中に一足ふみ込んだら、もう出かけるのが面倒くさくなって、そのままここに泊り込んでしまった。
オーベル・ピンツガウ Ober-Pinzgau
空は明るいが、湖水には靄がたなびいて、対岸の山は雨の昨日よりなおうす暗い。