Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ズラかったしんきち

ズラかった信吉

宮本 百合子

Leggi ズラかった信吉 (ズラかったしんきち) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 54.656 caratteri · 110 schermate

Aozora Bunko

われわれ生産に従事する労働者に食糧が足りねえとき、何故国家保安部の消費組合だけはフンダンに物をもってるのか?

何故外国人だけ、特別の切符でしこたまものを食うことが許されてるのか?――俺はこれに答えて貰いてんだ!」

労働通信員グーロフは、額のとこへ太い青筋を浮き上らし、盛に左の手の爪をかみながらテーブルへ腹を押しつけ紙切に何か書きつけてる。

アクリーナが、窓枠へ腰かけ両手をつっぱったまま叫んだ。

「私は労働婦人として云うんだけれど、全くこの頃の消費組合ったらなっちゃいやしない! きのう塩漬キャベジを百グラム買うのに、何分列に立たせられたと思う? レーニンは女を台所から解放しろと云った。レーニンが死んで何年立つ? 列は長くなるばっかりで、そこに立ってるのはいつだって女なんだ!」

キラキラする黒い眼をせわしく瞬いて一気に云い終ると、アクリーナは、フンと云うように細い肩をもち上げた。そして、並んでかけてる男からタバコを貰って吸い出した。

ヤーシャが落着きはらってるのに、信吉は、びっくりした。心持頭をかしげ、ジッと注意ぶかくそれぞれの言葉をきき分けている。

「あのゥ……私も云わして貰えるかしら」