Classici giapponesi con furigana
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きなだむら
ゼーロン・淡雪 他十一篇
牧野 信一
Leggi ゼーロン・淡雪 他十一篇 (きなだむら) di 牧野 信一 (まきのしんいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.321 caratteri · 54 schermate
Bは、
「その父・母・妻・子・兄弟、そして汝自身の命をも憎まざる者はわが弟子たる能わず。」
――の聖人の忠実な下僕であった。そして彼は、「マルシアス河の悲歌」の作者ユウリビデスを退けたストア学徒の血を享けて、悲劇を嗤い、ひたすら神と力を遵奉した。論理的技巧を棄てて理性の統一から最も明瞭なる健全な生活を求めなければならなかった。
Cは、ピザの斜塔の頂きに引き籠って、大小数々の金属製の球を地上に落下して、「落下の法則」を発見したあの科学者の弟子である。Cは、いつも悲しそうな顔ばかりしていた。なぜなら彼がいかほど熱心に多くの球を投げ出して、その落下状態を研究したところで、決してあの科学者の発見に依る「落下の法則」以上の定理を見出し得ないばかりでなく、ただ徒らに落した球を拾っては再び塔の上に昇り、また落し、注視し、また拾い――を繰り返すに過ぎなかったから。
或日この三人が、諸国遍歴の旅に出かけようという相談をした。どこへ行ったところでどうせこれ以上のことはないというあきらめを持っている憂鬱なCは、厭々であったが、持物といっては金属性の球だけをポケットにして、饒舌なAや気難し屋なBと共々打ち連れて、先ず都を指して旅にのぼった。