Classici giapponesi con furigana
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デパートのこうけいり
デパートの絞刑吏
大阪 圭吉
Leggi デパートの絞刑吏 (デパートのこうけいり) di 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.242 caratteri · 23 schermate
ところで、このバルーンの浮力はどれ位あるかね?」
「標準気圧の元では600瓩は充分あります」
「600瓩と言うと随分な重量だねえ。いや、有難う」
訊き終ると喬介は、広告気球のロープに着いて揚って行く切り抜きの広告文字を見詰めた。
ちょうど広告気球が完全に上昇してロープが張り切った時に司法主任がやって来た。
「やあ、皆さんそんな処で深呼吸をしているのですか! いや、非常に結構な事です。ところでどうですか。首飾の指紋はやっぱり被害者野口のものでしたよ。ほら、こんなにはっきりと検出されました。」
こう言って司法主任は私達の眼前へ七色に輝く美しい首飾をぶら下げた。成る程、その大粒な連珠の上には、二つの大きな指跡が、はっきりと浮び出ていた。
「ほう、結構ですね」喬介は微笑んだ。
「ところで、済みませんがその水銀とチョークの混じった何んとやら粉を、私にも一寸拝借さして下さい」
呆気に取られている司法主任の手から、検出用具を借り受けると、捲取機に寄り添って、ハンドルの上へ、灰色の粉を器用な手附きで振り掛け、やがてその上を駱駝の刷毛で軽く払い退けた。
「ああ、やっと今気附きましたが、今朝修繕するためにバルーンを降ろした時、瓦斯注入口の弁が開いたままになっていました」