Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ドグラ・マグラ

ドグラ・マグラ

夢野 久作

Leggi ドグラ・マグラ di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 424.847 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

――それを見ると僕は、キット母が虎烈剌か何かに罹ったのに違いない。そうして僕も同じ病気になっているから、こんな身体の具合が変なのだろうと半分夢うつつのように思い思い、二人の男に引っぱられて行きましたが、その時の苦しかった事は未だに忘れません。何だか身体中が溶けるように倦るくって、骨がみんな抜け落ちそうで、段々を一つ降りる毎に眼の前が真暗になって、頭の中が水か何ぞのようにユラユラして痛みます。それを立止まって我慢しようとしますと、下から急に片手を引っぱられましたので、思い切って転がるように段々を降りて行ったのですが、その途中でヒョイと顔を上げますと、階子段に向い合った頭の上の手摺から、私の母の色の褪めた扱帯が輪の形になってブラ下がっているのが眼に這入りました。

――けれどもその時は、それが何故そうしてあるのか考える力もありませんでしたし、そのうちに又附いている男からヒドク小突かれて眼が眩みそうになりましたので、そのまま勝手口に来て、母が平生穿きにしておりました赤い鼻緒の下駄を穿いて横路次に出ました。その時に、もしや母はもう死んでいるのじゃないか知らんと思いましたから、ハッとして立止って左右を見ましたら、両手を押えている男というのは、顔だけよく知っている直方署の刑事と巡査で、怖い顔をして僕を睨みつけながら