Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ノンシャランどうちゅうき

ノンシャラン道中記

久生 十蘭

Leggi ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.878 caratteri · 26 schermate

Aozora Bunko

これでも苦情があるならいってみてくれない。……さ、誰れでもいいから出ておいで!」

すると、声に応じて心得ありげな一人の流行的紳士が、群集の中から進み出て車の前蓋を開け、しきりにそこここと検閲していたが、さすがの彼もこの超科学的な発動機械には手の付けようがないらしく、やがて諦めて引きさがった。

群集一同は、この紳士を中心にして、しばらく額を集めて協議していたが、やがて衆議一決。タヌの気焔に頓着なく、七八人の手で二人の自動車を、ぬかるみの細い田舎道へ、「一昨日来い」とばかりに押し出した。タヌは烈火のごとく猛り立って、

「なんだイ、誰れがあんな気障な道なんか通ってやるものか。ね、コン吉、ニースへ行く道は一本きりじゃないよ。あたしは、もうこの道をどこまでもまっすぐに行くことに決めた」と宣言した。コン吉も急に元気凛々。

「よろしい。僕も賛成です。あんな道を通る必要はない。あれは俗人主義の道だからね。僕たちはこの平和な田舎道を通って、噴水に挨拶したり、道端の小豚に戯ったりしながら、風雅な旅を続けることにしよう」

こうなっては、来年の夏までかかろうが、冬までかかろうが、かまうことではない。