Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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パノラマとうきだん

パノラマ島綺譚

江戸川 乱歩

Leggi パノラマ島綺譚 (パノラマとうきだん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 78.920 caratteri · 153 schermate

Aozora Bunko

若しや後悔なさる様なことはありますまいか」

この北見の異様な忠告を聞くと、廣介は何かしらゾッとしないではいられませんでした。でも、それが何であるか、分り切ったことを胴忘れした様で、不思議と思い出せないのです。

「君は一体何を……」

廣介は云いさして、ふと口をつぐみました。ぼんやりと、ある事が分りかけて来たのです。彼の顔は青ざめ、呼吸はせわしくなり、脇の下に冷いものが流れました。

「ソラね、少しずつお分りでしょう。私という男が何の為にこの島へやって来たかが」

「分らない、君のいうことは少しも分らない。狂気めいた話は止しにしてくれ給え」

そして廣介は又笑いました。併しそれはまるで幽霊の笑い声の様に力のないものでした。

「お分りにならなければ、お話しましょう」北見は少しずつ召使の節度を失って行く様に見えました。「『RAの話』という小説の幾つかの場面とこの島の景色とが、どこからどこまで、全く同じだというのです。それは丁度あなたが人見さんに生写しである様に、生写しなのです。若しあなたが人見さんの小説も読まず、話も聞いていらっしゃらぬとしたら、この不思議な一致はどうして起ったのでしょう。