Classici giapponesi con furigana
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フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
Leggi フレップ・トリップ di 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.698 caratteri · 293 schermate
待っていると、ぽつぽつと帰って見えた。
臨時列車も野天のプラットホームに這入って来た。
私たちは乗り込んだ。
だが、一行の全員を収容するまでには、なかなか間がありそうに思われた。
「露人の家がありますよ。」と教えると、「や、それは。」と退屈まぎれに飛び出す人々もあった。
見える、見える、あのカムチャッカ蘭の窓が。
雨は霽りかけたが、まだ露人の家のあたりの空は薄鼠色にうち湿っていた。いや、もう日が暮れかけても来ていた。
「や、来た来た。」
と、誰やらが叫んだ。
少年イワンであった。首から黄いろい紐を、前の函には、それこそふかし立ての露西亜パンを山盛りにして、活溌に改札口を出ると、ちょいと横向きの白い頸すじを見せた。
レールが間に四条。じっくりと枕木も小砂利も濡れて、右も左も椴松の林が遠い、遠い、遠い。
「あれです、露西亜人の息子は。」
とても物好きな観光団です。それはというので、それに少々腹も空き加減の、恰もよしというところで、乗降口からレールへ飛び下りると、また駈け上って、
「おい、パン。」
「おい、パン。」
「おい、いくらだ。」「おい。」で、一時に真っ黒に群ってしまった。