Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate
医者が言っていたそうです。たいていあの荒療治を一度受けると、数時間は昏睡し、覚醒した後も記憶がはっきりしなくなるが、甚五はそうでなかった。ショックを受けて、五分ぐらい経つと、けろりと眼覚めて、また外出しようとする。また押えつけて電気を通す。今度は十分ぐらいで醒めて、ふらふらと玄関の方に歩き出す。医者も意地になって、三度目をかける。三度もかけると、さすがの甚五もぐったりとなって、
「ええ、ここはどこですか。何故わたしはここにいるんですか」
と言う具合になって、大部屋に戻り、せんべい布団にくるまってぐうぐう寝てしまう。あのおどおどした甚五に、どうしてそんな電気に対して強烈な抵抗力があるのか。これは執念とか何とか、その式の精神力ではなく、体質の問題なのでしょう。それに違いありません。
その甚五の嫉妬妄想の対象が、彼の心の中でどんな屈折をして、ぼくに結びついたのか、ぼくにはよく判らないのです。身に覚えはないし、前にもお話したように、フクさんはアンパンみたいで、全然魅力のない女性なのですから、甚五から問いつめられた時、フクさんは呆れたように突っぱねたそうです。