Classici giapponesi con furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate
すると階下から給仕の足音がして、上って来たのは糖醋鯉魚です。これがすなわち料理のコースの止めで、僕らはそれをむさぼり食い、最後の乾盃をしておいとますることになりました。外に出ても心が浮き浮きして、鳩の街にでも行こうかと僕が誘ったが、野呂はイヤだと言う。かりそめにも自分は先生と呼ばれる身分であるからして、そんな不倫の巷におもむくわけにはいかない、そう野呂は言うのですが、やはり金を使うのが惜しかったんじゃないでしょうか。
「お互いに若い清純な芸術家なんだから、まっすぐ家に帰ろうよ」
そこで僕も鳩の街はあきらめて、小型タクシーに乗って、まっすぐ代田橋に戻って来ました。このまま眠るのは惜しいような夜でしたが、二人とも台所で歯をみがき、肝臓薬を五粒ずつ服んで、東西両室にわかれてグウグウ眠ってしまいました。
さて、翌朝目が覚めたのが午前六時半です。宿酔の気味もなく、頭はさっぱりして、さっぱりというよりポカンと空虚になっていて、狐でもおちたような気分でした。台所に行くと野呂はもう起きていて、がばがばと顔を洗っておりました。
「おはよう」
「やあ、おはよう」
「さっぱりした気分だね」