Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ボロやのしゅんじゅう

ボロ家の春秋

梅崎 春生

Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate

Aozora Bunko

先日は御馳走さまでした。何か御用ですか?」

「今月の家賃、いただきに、来たヨ」

「え。家賃?」

僕がびっくりしたような声を出したものだから、野呂も西室からごそごそと首を出しました。孫は平然たる表情で言いました。

「そう。家賃よ」

「家賃って、誰にはらうんですか」

「誰にって、あんた、陳大人によ」

「そりゃ無茶ですよ。孫さん」と野呂が半身乗り出して口を入れました。「だってこの家は不破氏のものでしょ。陳さんに僕らが家賃払うわけがないよ」

「この家、陳大人が、押えた。早く家賃払うよろし」

「押えたって、孫さん」僕は笑いながら孫をたしなめました。「僕らの同意もないのに、そんなことは出来ませんよ。さては陳さん何かかん違いをしてるな」

「同意したではないか」

孫伍風は多少むっとしたらしく、眼をキラリと光らせました。見ると両方の手がもう半分ぐらい拳固の形になっています。先日の手練のほどを思い出して、僕はすこし気持がひるみましたが、それでもなお元気を出して、

「僕らがいつそんな同意をしました?」

「あの晩、ちゃんと、拇印を押したでないか。ずうずうしいぞ」

僕と野呂は同時にアッと叫び、顔を見合わせました。