Classici giapponesi con furigana
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レモンのはなのさくおかへ
レモンの花の咲く丘へ
国枝 史郎
Leggi レモンの花の咲く丘へ (レモンのはなのさくおかへ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.016 caratteri · 142 schermate
使女B あの怪しい老人が弾いているのではありますまいか。
女子 銀の竪琴の音は、暗の中を荒れ狂っている、赤い焔のように鳴っている。……暗の中の血薔薇のように。(オーケストラの音止む)
使女A オーケストラが止みました。
女子 (急に窓に行き)ほんに、オーケストラはもう止んだ。(時を告ぐる鐘の音、音楽堂より聞こえ来る)
使女 お聞き遊ばせ、鐘が鳴っておりまする。あの鐘が二度鳴って、三度目に鳴る時は、三組残った優勝者の中最後に打ち勝った一人へ、月桂冠を与える時でござります。
使女A その時、音楽堂の頂上の窓へ赤い燈が点ぜられるのでござります。
使女B その時喜びの太鼓の音が、音楽堂のまん中で轟き渡るので、ござります。
使女A その時、近在から集って来た美しい少年等は声を揃えて、ほめ歌を歌うのでござります。
使女B その時、月桂冠を得た名誉の音楽家は、少年等に取りかこまれ、音楽堂を立ち出でて、海へ出るのでござります。
使女A 海には紅い花で飾った舟が夜眼にも美しく浮かんでおります。
使女B 私共はその舟を婚儀の舟と呼びたいのでござります。なぜと申しますと、月桂冠を貰った音楽家は、その舟に打ち乗って、この館へ参られます。