Classici giapponesi con furigana
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レモンのはなのさくおかへ
レモンの花の咲く丘へ
国枝 史郎
Leggi レモンの花の咲く丘へ (レモンのはなのさくおかへ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.016 caratteri · 142 schermate
……凶事の鉦が。
(青き燈火、以前の場所に点ぜらる)
使女B あれ青い灯が!
使女A 赤い灯の代りに点いている。
女子 ほんに青い灯が……どうしたと云うだろう、死んだ人の魂のために点ぜられる青い灯が……音楽堂に点いている。そして弔いの鉦がつき鳴らされ……。(と海を眺め)あれ、今まで見えていた水鳥の列が、どこへ行ったかもう見えぬ。
使女B (空を見上げ)そして怪しい雲も消えてしまいました。
使女A 死んだように影も形もなく消えてしまいました。(鉦なお鳴りやまず)
女子 まだ鳴っている、まだ鳴っている。
(玄関の方にて駒の蹄の音。嘶。やがて間もなく従者いそがわしく出場)
従者 お嬢様は此処においででござりましたか、今音楽堂で大変なことが出来致してござります。
女子 (従者を凝視し)今鳴っている弔いの鉦の音が、その一大事を告げているのではあるまいか!
従者 おおせの通りでござります。亡び行く魂を傷む鉦の音が、若様の横死を告げておるのでござります。
女子 えッ、若様の横死! 横死! (と寝台へ仆れる)
使女A 若様の横死!
使女B 死! 死!
従者 お驚き遊ばすは御尤でござりますが、唯今は驚いてばかりいる時ではござりませぬ。