Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おもいで

ロッパの悲食記

古川 緑波

Leggi ロッパの悲食記 (おもいで) di 古川 緑波 (ふるかわろっぱ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.651 caratteri · 114 schermate

Aozora Bunko

浅草を食べる

十二階があったころの浅草、といえば、震災前のこと。中学生だった僕は、活動写真を見るために毎週必ず、六区の常設館へ通ったものだ。はじめて、来々軒のチャーシュウ・ワンタンメンというのを食って、ああ、何たる美味だ! と感嘆した。

来々軒は、日本館の前あたりにあって、きたない店だったが、このうまかったこと、安かったことは、わが生涯の感激の一つだった。少年時代の幼稚な味覚のせいだったかも知れないが、いや、今食っても、うまいに違いない、という気もする。

支那料理は、五十番や品芳楼もあったが、何と言っても来々軒が圧倒的だった。

今の松竹座の横、六区への道に、オーギョチという、これこそは浅草だけにしか無い、不思議な食いものがあった。台湾産の植物からつくったとかいう、ところてんの如き、怪しげな、食いもの(というより飲みものに近い)だった。愛玉只と書いて、オーギョチと読むんだから、よほど不思議なことがお分りだろう。震災後は見かけたが、今はない。

そのオーギョチの、何とも形容出来ない、甘ずっぱい味を、ふと思い出すことがある。

みつ豆の舟和も古い。芋ようかん、あん玉の舟和、これは今日まで続いている。