Classici giapponesi con furigana
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ひとりふたやく
一人二役
江戸川 乱歩
Leggi 一人二役 (ひとりふたやく) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6740 caratteri · 14 schermate
自分はゆうべ××家で、何の誰と一晩呑みあかしたのだから、何ならあの男に聞いて見るがいい、と、これがつまり、探偵小説の言葉で云えばアリバイだね。それは前以ってちゃんと頼み込んであるのだ。エ、お前がそのアリバイを勤めたのかって、イヤ、違う違う。
「お前夢でも見たのではないか。いいえ、決して夢ではありません。夢でなかった証拠には、ちゃんと煙草入れが残っているのだ。はてな、昔の書物に、離魂病というものが見えているが、まさか今の時節、そんなこともあるまい。その離魂病というのはね、一人の人間の姿が、二つに分れて、同時に、違った場所で、違った行をするというのだ。などと、一寸怪談めいて見たり、お前そんなことを云って、実はソッとどこかの男を引入れているのではないか」などと脅しつけて見たり、それが又、Tには、何とも愉快でたまらないというのだから、因果さ。
が、兎も角も、その日は有耶無耶で済んで了った。無論、一度位では駄目だ。Tの計画では、幾度も、幾度もそれを続けてやって見る積りだった。
二回目は、少々心配した。細君、前に懲りているから、うっかり変装して行こうものなら騒ぎ出しやしないかというのだ。