Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いっせきわ

一夕話

芥川 竜之介

Leggi 一夕話 (いっせきわ) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5921 caratteri · 12 schermate

Aozora Bunko

小えんは諸芸を仕込ませるのも、若槻に愛のない証拠だといった。僕はこの言葉の中にも、ヒステリイばかりを見ようとはしない。小えんはやはり若槻との間に、ギャップのある事を知っていたんだ。

「しかし僕も小えんのために、浪花節語りと出来た事を祝福しようとは思っていない。幸福になるか不幸になるか、それはどちらともいわれないだろう。――が、もし不幸になるとすれば、呪わるべきものは男じゃない。小えんをそこに至らしめた、通人若槻青蓋だと思う。若槻は――いや、当世の通人はいずれも個人として考えれば、愛すべき人間に相違あるまい。彼等は芭蕉を理解している。レオ・トルストイを理解している。池大雅を理解している。武者小路実篤を理解している。カアル・マルクスを理解している。しかしそれが何になるんだ? 彼等は猛烈な恋愛を知らない。猛烈な創造の歓喜を知らない。猛烈な道徳的情熱を知らない。猛烈な、――およそこの地球を荘厳にすべき、猛烈な何物も知らずにいるんだ。そこに彼等の致命傷もあれば、彼等の害毒も潜んでいると思う。害毒の一つは能動的に、他人をも通人に変らせてしまう。害毒の二つは反動的に、一層他人を俗にする事だ。