Classici giapponesi con furigana
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かじとポチ
一房の葡萄
有島 武郎
Leggi 一房の葡萄 (かじとポチ) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 23.753 caratteri · 48 schermate
けれどもおとうさんとぼくと妹はポチのそばをはなれないで、じっとその様子を見ていた。おかあさんが女中に牛乳で煮たおかゆを持って来させた。ポチは喜んでそれを食べてしまった。火事の晩から三日の間ポチはなんにも食べずにしんぼうしていたんだもの、さぞおかゆがうまかったろう。
ポチはじっとまるまってふるえながら目をつぶっていた。目がしらの所が涙でしじゅうぬれていた。そして時々細く目をあいてぼくたちをじっと見るとまたねむった。
いつのまにか寒い寒い夕方がきた。おとうさんがもう大丈夫だから家にはいろうといったけれども、ぼくははいるのがいやだった。夜どおしでもポチといっしょにいてやりたかった。おとうさんはしかたなく寒い寒いといいながら一人で行ってしまった。
ぼくと妹だけがあとに残った。あんまりよく睡るので死んではいないかと思って、小さな声で「ポチや」というとポチはめんどうくさそうに目を開いた。そしてすこしだけしっぽをふって見せた。
とうとう夜になってしまった。夕御飯でもあるし、かぜをひくと大変だからといっておかあさんが無理にぼくたちを連れに来たので、ぼくと妹とはポチの頭をよくなでてやって家に帰った。