Classici giapponesi con furigana
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かじとポチ
一房の葡萄
有島 武郎
Leggi 一房の葡萄 (かじとポチ) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 23.753 caratteri · 48 schermate
ただおばあさまがぼくに一言も物をいわないのが変だった。急に唖になったのだろうか。そしていつものようにはかわいがってくれずに、ぼくが近寄ってもじゃま者あつかいにする。
これはどうしても大変だとぼくは思った。ぼくは夢中になっておばあさまにかじりつこうとした。そうしたらあんなに弱いおばあさまがだまったままで、いやというほどぼくをはらいのけたのでぼくはふすまのところまでけし飛ばされた。
火事なんだ。おばあさまが一人で消そうとしているんだ。それがわかるとおばあさま一人ではだめだと思ったから、ぼくはすぐ部屋を飛び出して、おとうさんとおかあさんとが寝ている離れの所へ行って、
「おとうさん……おかあさん……」
と思いきり大きな声を出した。
ぼくの部屋の外で鳴いていると思ったポチがいつのまにかそこに来ていて、きゃんきゃんとひどく鳴いていた。ぼくが大きな声を出すか出さないかに、おかあさんが寝巻きのままで飛び出して来た。
「どうしたというの?」
とおかあさんはないしょ話のような小さな声で、ぼくの両肩をしっかりおさえてぼくに聞いた。
「たいへんなの……」
「たいへんなの、ぼくの部屋が火事になったよう」