Classici giapponesi con furigana
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かじとポチ
一房の葡萄
有島 武郎
Leggi 一房の葡萄 (かじとポチ) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 23.753 caratteri · 48 schermate
私はそれがかわいそうでならないから何かやって助けてやろうと思うけれども、第一私はここに立ったっきり歩く事ができない。おまえどうぞ私のからだの中から金をはぎとってそれをくわえて行って知れないようにあの窓から投げこんでくれまいか」
とこういうたのみでした。燕は王子のありがたいお志に感じ入りはしましたが、このりっぱな王子から金をはぎ取る事はいかにも進みません。いろいろと躊躇しています。王子はしきりとおせきになります。しかたなく胸のあたりの一枚をめくり起こしてそれを首尾よく寡婦の窓から投げこみました。寡婦は仕事に身を入れているのでそれには気がつかず、やがて御飯時にしたくをしようと立ち上がった時、ぴかぴか光る金の延べ板を見つけ出した時の喜びはどんなでしたろう、神様のおめぐみをありがたくおしいただいてその晩は身になる御飯をいたしたのみでなく、長くとどこおっていたお寺のお布施も済ます事ができまして、涙を流して喜んだのであります。燕も何かたいへんよい事をしたように思っていそいそと王子のお肩にもどって来て今日の始末をちくいち言上におよびました。
次の朝燕は、今日こそはしたわしいナイル川に一日も早く帰ろうと思って羽毛をつくろって羽ばたきをいたしますとまた王子がおよびになります。