Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ひとあしおさきに
一足お先に
夢野 久作
Leggi 一足お先に (ひとあしおさきに) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 40.200 caratteri · 79 schermate
その自分の右足が、巨大な硝子筒の中にピッタリと封じ籠められて、強烈な薬液の中に涵されて、漂白されて、コチンコチンに凝固させられたまま、確かに、標本室の一隅に蔵い込まれているに相違無い事を、潜在意識のドン底まで印象させておいたならば、それ以上に有効な足の幽霊封じは無いであろう。それに上越す精神的な「足禁め」の方法は無いであろう。
こう決心すると私は矢も楯もたまらなくなって、同室の青木が外出するのを今か今かと待っていたのであった。そうしてヤット今、その目的を遂げたのであった。果して足の幽霊封じに有効かドウカは別として……。
私のこうした心配は局外者から見たら、どんなにか馬鹿馬鹿しい限りであろう。あんまり神経過敏になり過ぎていると云って、笑われるに違い無いであろう事を、私自身にも意識し過ぎるくらい意識していた。だから副院長に話したら訳なく見せてもらえるであろう自分の足の標本を、わざわざ人目を忍んで見に来た位であったが、しかし、そうした私の行動がイクラ滑稽に見えたにしても、私自身にとっては決して、笑い事ではないのであった。この不景気のさ中に、妹と二人切りで、利子の薄い、限られた貯金を使って、ドウデモコウデモ学校を卒業しなければならないという、兄らしい意識で、いつも一パイに緊張して来た私は、もう自分ながら同情に堪え