Classici giapponesi con furigana
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なのかななよ
七日七夜
山本 周五郎
Leggi 七日七夜 (なのかななよ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.818 caratteri · 36 schermate
彼は通用口から外へ出ると、二丁ばかり走って辻駕に乗った。麹町表四番町から九段坂を下り、そこでべつの辻駕に乗り替えて「浅草橋まで」と命じた。駕などに乗ったのは初めてである、いい心持であった。後悔は少しもない、不徳行為をしたとも思わなかった。あによめの怯えあがったぶざまな姿や「イ」というような悲鳴をあげたことや、だらしなく口をあけた、平べったい狐みたような顔を思いだすと、寧ろ自分のやりかたがなまぬるく、穏便すぎたとさえ思えるくらいだった。
「もっとこたえるような事を云ってやればよかった」
昌平はどこかしらむず痒いような顔をした。
「この狐おんな、おっぺしゃんこ、卑劣漢、ふ、幾らでもあったのに、それからもっと気を喪うほど脅かしてやればよかった」
彼はあによめの頬ぺたを刀のひらで叩いてみる空想をした。これまでの辛抱を思い知らせるとしたら、髪の毛ぐらい切ってやってもよかったかもしれない。
「兄貴のやつ帰って吃驚するだろうな、どんな顔をするか、腰でもぬかしやしないかどうか、……なにしろいちばん無能の意気地なしがこんな事をやったんだからな、ふ、顔を見てやりたいくらいのものだ」