Classici giapponesi con furigana
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みっつのひふん
三つの悲憤
豊島 与志雄
Leggi 三つの悲憤 (みっつのひふん) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8748 caratteri · 18 schermate
ある田舎に、阮という豪族の一家がありました。
阮家の一人息子の阮東は、志を立てて、都に出ました。そして学問をしながら、長官の周家に、書生として暮すことになりました。
その翌年の春さき、阮東は周家の令嬢素英と親しくなり、いつしか愛を語らう仲になりました。けれども、それも一ヶ月ばかりの間で、素英から急に疎んぜられるようになりました。
阮東は、頭髪を乱し、悲しみに胸をふくらまして、何事も手につきませんでした。そしてよく裏庭へ出てゆきました。その片隅に、竹藪があり、竹藪のそばに四五本の李の木があって、白い花が咲いていました。阮東はその花の下で、熱い涙を流して泣きました。
夜通し一睡も出来なかった日の、朝早く、阮東はまた李の花の下に来て、泣き悲しんでいました。
すると、爽かな細い歌声が聞え、やがて、空色の化粧着をつけた素英の姿が、まるで幻のように現われてきました。
阮東ははっとして、息がつまり、血の循りがとまり、ただ眼を大きく見張りました。そして暫く見ない彼女の姿を、じっと見つめていましたが、次には、かっと逆上して、そこに走り出で、彼女の足もとに跪きました。