Classici giapponesi con furigana
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みっつのまど
三つの窓
Leggi 三つの窓 (みっつのまど) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6811 caratteri · 14 schermate
)何か彼のために言ってやりたいのを感じた。しかしその「何か」も口を出た時には特色のない言葉に変っていた。
「静かだな。」
「うん。」
甲板士官はこう答えたなり、今度は顋をなでて歩いていた。海戦の前夜にK中尉に「昔、木村重成は……」などと言い、特に叮嚀に剃っていた顋を。……
この下士は罰をすました後、いつか行方不明になってしまった。が、投身することは勿論当直のある限りは絶対に出来ないのに違いなかった。のみならず自殺の行われ易い石炭庫の中にもいないことは半日とたたないうちに明かになった。しかし彼の行方不明になったことは確かに彼の死んだことだった。彼は母や弟にそれぞれ遺書を残していた。彼に罰を加えた甲板士官は誰の目にも落ち着かなかった。K中尉は小心ものだけに人一倍彼に同情し、K中尉自身の飲まない麦酒を何杯も強いずにはいられなかった。が、同時にまた相手の酔うことを心配しずにもいられなかった。
「何しろあいつは意地っぱりだったからなあ。しかし死ななくっても善いじゃないか?――」
相手は椅子からずり落ちかかったなり、何度もこんな愚痴を繰り返していた。
「おれはただ立っていろと言っただけなんだ。