Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志

吉川 英治

Leggi 三国志 (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 161.356 caratteri · 323 schermate

Aozora Bunko

と、思わず十里ほどきてしまった。

徐庶の馬もつい進まず、

「ご縁だにあれば、これも一時のお別れになりましょう。お体をお大事にして、徐庶が再び帰る日をお待ちあそばし下さい」と、なぐさめた。

かくてまた、いつか七、八里もきていた。城外をへだつことかなり遠い田舎である。諸将は帰途を案じて、

「いくら行っても、お名残は尽きますまい。もはやここで」と、一同して馬を控えた。

玄徳は馬上から手をさしのべた。徐庶もまた手を伸ばした。かたく握りあって、ふたりの眸はしばし無言の熱涙を見交わしていた。

「……では、健やかに」

「あなた様にも」

「おさらば」

しかも玄徳の手はなお、徐庶の手をかたく握っていてはなさなかった。

滂沱たる涙とともに、手もまたふるえ哭くかのようだった。

「――おさらばです」

ついに、徐庶はもぎはなして、駒のたてがみに、面を沈めながら馳け去った。

諸将は、一斉に、手を振って、そのうしろ影へ、

「さらば」

「さらば――」

を告げながらどやどや駒をかえし始めた。そして玄徳を包んで元の道へ忙がわしく引っ返した。

未練な玄徳は、なお時々、駒をたたずませて、徐庶の影を遠く振り向き、