Classici giapponesi con furigana
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みうらろうじんむかしばなし
三浦老人昔話
岡本 綺堂
Leggi 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 113.637 caratteri · 224 schermate
それは彼のお仙の放逐をみても察しられます。
いつの代でもそうでしょうが、取分けてこの時代に主人が一旦暇をくれると云い出した以上、家来の方ではどうすることも出来ません。お近さんはおとなしくこの屋敷をさがるより外はないので、自分の荷物を取りまとめて新屋敷の親許へ帰りました。その葛籠の底には彼の「春色梅ごよみ」の写本が忍んでいました。
三
お父さんの高松さんは物堅い人物ですから、娘が突然に長の暇を申渡されたに就てすこしく不審をいだきまして、一応はお近さんを詮議しました。
「どうも腑に落ちないところがある、奉公中に何かの越度でもあったのではないか。」
「そんなことは決してござりません。」と、お近さんは堅く云い切りました。「時節柄、お人減しと申すことで、それは奥様からもよくお話がござりました。」
まったくこの時節柄であるから、諸屋敷で人減しをすることも無いとは云えない。殊に三島の屋敷のことであるから、武具馬具を調えるために他の物入りを倹約する、その結果が人減しとなる。そんなことも有りそうに思われるので、高松さんも娘の詮議は先ずそのくらいにして置きました。