Classici giapponesi con furigana
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みうらろうじんむかしばなし
三浦老人昔話
岡本 綺堂
Leggi 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 113.637 caratteri · 224 schermate
まえにも申す通り、武家のよろい櫃の底に色々の物が忍ばせてあることは、問屋場の者もふだんから承知していましたが、紅い水が出るのは意外のことで、それが何であるか鳥渡想像が付きません。こうなると役目の表、問屋の者も一応は詮議をしなければならないことになりました。今宮さんの顔の色が変ってしまいました。こゝで鎧櫃の蓋をあけて、醤油樽を見つけ出されたら大変です。鎧の身代りに醤油樽を入れたなどと云うことが表向きになったら、洒落や冗談では済まされません。お役御免は勿論、どんな御咎をうけるか判りませんから、家来達までが手に汗を握りました。
問屋場の役人――と云っても、これは武士ではありません。その町や近村の名望家が選ばれて幾人かずつ詰めているので、矢はり一種の町役人です。勿論、大勢のうちには岩永も重忠もあるのでしょうが、こゝの役人は幸いにみんな重忠であったとみえて、その一人がふところから鼻紙を出して、その紅い雫をふき取りました。そうしてほかの役人にも見せて、その匂いを鳥渡かぎましたが、やがて笑い出しました。
「はゝ、これは血でござりますな。御具足櫃に血を見るはおめでたい。