Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

さんりょうきょう

三稜鏡

佐左木 俊郎

Leggi 三稜鏡 (さんりょうきょう) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.347 caratteri · 42 schermate

Aozora Bunko

青年は老紳士を目蒐けて走って行った。署長と三人の刑事とがそれに続いて走った。

「笠松!」

青年は老紳士を目蒐けて飛掛った。

「おっ!」

老紳士は驚きの声をあげて飛退いた。が、もう、遅かった。青年は老紳士の腕を掴んだ。同時に老紳士の鼻眼鏡が地面に落ちて砕けた。

「おうい! 誰か来てくれ! 誰かあ!」

老紳士は大声に人を呼びながら、青年の腕の中に争ったが、青年はどうしてもその手を放さなかった、そして彼も亦、大声に、刑事達を呼んだ。

「早く縄を! 早く縄を、笠松博士を掴まえたから」

刑事達はそのポケットから麻縄を出しながらばたばたっと駈けて行った。――が、しかしその縄は、老紳士にではなく、青年の手首にかかった。

「それは僕の手だ」

青年は叫んで手を引こうとした。同時に、煉瓦の建物の中から、二三人の男達が駈出して来て、毛布の中に青年をぐるぐると包んだ。青年は首だけを毛布から出して最早完全に動くことが出来なくなった。

「おっ! 署長さんもお出で下さったのですか? それはそれは……」

老紳士は微笑をもって云いながら署長の方へ寄って行った。

「実は、岡埜先生に、お話して置き度いことがあったものですから、儂も一緒に来たのですが……」