Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
さぶろうじい
三郎爺
宮本 百合子
Leggi 三郎爺 (さぶろうじい) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.866 caratteri · 50 schermate
に掛ったりして、化かす暇もなく皮を剥がれ、煮て食われるようになって来る。
他国者が集るので、噂の範囲は広まって、「江戸」での事件などは、わずかずつでも流れ込んで来る。独り三郎のみでなく、村全体の空気が一道の生気を吹き込まれてパッと燃え上ったような、状態になって来たのである。
すると、彼が二十三のときに、彼の村から七人の新百姓が出ることになった。
開墾団体から田地をいくらかと、金や材木を供給されて、新しく出来た村へ新しい百姓として家を持たせられるのが、その新百姓なのである。
若い者は、皆相当に競争もしたのだが、運よく三郎も、その中の一人として「眼きき」された。そして、親達の誇りと、彼自身の自信との間に、実家から、十四五丁ほど隔った開墾地の一郭に、彼はお手のものの普請を始めたのである。
今も昔も、存外些細なことで、人の名誉心が刺衝されることには変りがなかったものと見えて、数ある若者のうちから新百姓に選ばれたということが、彼の非常な箔(はく)つけになった。今までは、「屋大工の三郎どん」だったのが、何かよぶんな言葉が必要なような心持を、人も持ち、まして彼自身は持たずにはいられない。