Classici giapponesi con furigana
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しゃんはい
上海
横光 利一
Leggi 上海 (しゃんはい) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.628 caratteri · 292 schermate
そこで、彼はいつになれば秋蘭が全く敵対心も無くしてしまうのであろうかを待ちながらも、いつの間にか眠ってしまった。
しかし、今は、朝だ。――
池の中で旗亭の風雅な姿は積み重なった洋傘のように歪んでいた。その一段ごとに、鏡を嵌めた陶器の階段は、水の上を光って来た。人で埋った華奢な橋の欄干は、ぎっしりと鯉で詰った水面で曲っていた。人の流れは祭りのように駘蕩として、金色の招牌の下から流れて来た。
参木はその人の流の上に棚曳いたうす霧の晴れていくのを見ていると、秋蘭と別れる時の近づいたのを感じた。彼は秋蘭の部屋の緞帳を揺すった。秋蘭は古風な水色の皮襖を着て、紫檀の椅子に凭りながら手紙の封を切っていた。彼女は朝の挨拶を済すと足の痛みの柔ぎを告げて礼を述べた。
「もし昨夜あなたが、あたしの傍にいて下さらなければ、――」
と、秋蘭はいった。そうして、彼女は参木に異国の友を一人持ち得た喜びを述べると、食事を取りに附近の旗亭へ案内したいといい出した。
「しかし、あなたのそのお傷じゃ、――」と参木はいった。
「いえ、あたしたちはもう日本の方に、そんなに弱い所ばかりお見せしたくはございませんの。