Classici giapponesi con furigana
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うえのかいわい
上野界隈
久保田 万太郎
Leggi 上野界隈 (うえのかいわい) di 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5435 caratteri · 11 schermate
。そうして『二十日月中宵闇』の文句はその景情を叮嚀に説明してこういっている。「春ならで朧に空の霜曇り二十日の宵の月代も梢放れて影凄く、忍ヶ岡に撞き出す鐘の音沈む池の端、更けて往来も中島の、一むら繁る蘆原へ落ち行く雁の唯一羽枯残りたる蓮の葉の、そよぐ音さへ追手かと後ろ見らるゝ忍び足、運ぶ時雨の村雲に隠せし影も小夜風に晴れて見かはす月の顔……」
これにくらべると『黒手組曲輪達引』の序幕のほうのものは単純で且粗ッぽい。「本舞台三間の間正面桜の林、後忍ヶ岡の山の遠見、左右藪畳み、舞台前は柵附きの浪板にて不忍の池の心、総て不忍の池の辺の体。……時の鐘かすめたる騒ぎ唄の合方にて幕明く」というト書にしても、「絵にかゝば墨絵のさまや朧夜の、空ににじみし月影も闇き其身に後や先き、忍ヶ岡を二人連れ、散り来る花の白玉に、鐘の音霞む権九郎、手に手を取つてそこはかと、籠を離れし鳥ならで初音の里もいつしかに谷中を越えて車坂、余所目に見れば二本の離れぬ松の道行は、味な縁を出雲にて結び違ひし神垣や、稲荷の森へ歩み寄り……」といった工合の浄璃瑠の文句にしても、ほんのただ上っ面だけのことで、ことさらそのけしきを掴んでもいなければ描いてもいない。