Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふざいじぬし

不在地主

小林 多喜二

Leggi 不在地主 (ふざいじぬし) di 小林 多喜二 (こばやしたきじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 69.990 caratteri · 141 schermate

Aozora Bunko

「西郷大先生」「日露戦争」「血染の、ボロボロになった連隊旗」などの写真が、額になってかかっていた。演壇の左側には、払下げをうけた、古ぼけた旧式な鉄砲が三挺組合せて飾ってある。――乃木大将の話は百姓は何度きいても飽きなかった。

演壇には「S相互扶助会」発会式の順序と、その両側に少し離して、この会が主旨とする所の標語が貼り出されていた。

┌───────────┐

│ 海田山林の開発より │

│  心田を開拓せよ! │

└───────────┘

┌───────────┐

│ 強靱なる独立心と  │

│ 服従の美徳と    │

│ 協同の精神へ!   │

└───────────┘

会が終ってから、「一杯」出るという先触れがあったので、何時になく沢山の百姓が集っていた。「停車場のあるH町」からも来ていた。大概の小作は、市街地の旦那やH町の旦那から「一年」「二年」の借金があるので、一々挨拶して歩かなければならなかった。

小作が挨拶に行くと、米穀問屋の主人は大様にうなずいた。

「今年はどうだ?」

「ええ、まア、今のところは、ええ、お蔭様で……」