Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふしょうのあに

不肖の兄

豊島 与志雄

Leggi 不肖の兄 (ふしょうのあに) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.889 caratteri · 39 schermate

Aozora Bunko

体裁にだけ原稿用紙を持って出た。が仕事なんかありゃあしなかったんだ。……そして、三日目に僕は帰って来た。

その間に、僕が何をしてきたかと思うかね。これからそれを聞かしてあげよう。

家を出ると、あの通り、晴れやかな小春日和だったろう。僕はその大空を仰いで、いいなあ……と心に叫んだものだ。そして、停車場へ行くのを止めて、照代の家へ行ってみようと思った。

お前は恋するなら恋するがいい、ちっぽけな家庭を構えたけりゃあ構えるがいい。だがこの俺は、そんななかに巻きこまれてたまるものか。自由なそして心は潔白な彷徨を続けてみせるぞ。日の光が美しく輝いてるじゃないか。

まあ云わばそんな風な気持から、籠を出た小鳥のように勝手な真似がしてみたくなった。で友人のところに原稿用紙を捨てて、少しぶらついて時間をつぶして、それから照代の家へ行ってみた。

敏子

僕が照代の家にまで遊びに行くからといって、旦那気取りで澄しこんでるとか、或は二人の間が――心のつながりが――おかしいとか、そんなことを考えちゃいけない。僕はただ、お座敷で彼女に逢うよりも、彼女の家に五分間も黙って坐りこんでる方がよっぽど面白いんだ。