Classici giapponesi con furigana
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ふしょうのあに
不肖の兄
豊島 与志雄
Leggi 不肖の兄 (ふしょうのあに) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.889 caratteri · 39 schermate
」
そして彼女はまた、こんどは近々と、一杯見開いた露わな眼で見入ってきた。
「だってさ……病人があるのに……。そんな薄情な人は知らないよ。」
「いいわよ……ね、いきましょう。おっかさんと美代ちゃんが、いいと云ったら、いいでしょう。」
だが、その時また、美代子は痙攣を起した。照代は飛んでいった。
「お味噌の灸をすえると、じきになおってしまうんだがね。」
おっかさんはそんなことを云って、痛みの去った美代子に向って、熱くも何ともないからと説き勤めた。ばあやさんが小皿に漉味噌を持って来た。おっかさんはそれで、昔の二銭銅貨くらいの平ったい団子を拵え、それから艾をまるめて小指の先くらいのものを幾つも拵えた。
「これをお臍の上にすえるんだよ。お味噌が熱くなるまで辛棒するんだよ。」
僕は襖を閉め切った。
味噌灸が初まった。が途中で、美代子は泣き出した。
「いやよ、もうそんなものはいや。痛い……うーむ……痛いわ……冷くって。」
皆でそれを押えつけて、それからひっそりとなった。
暫くたった。ぱっと襖が開いた。照代がつっ立っていた。
「何をぼんやりしてるの。」
ちらと見ると、おっかさんは味噌の団子と艾の団子とを両手に持っていた。