Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
せそう
世相
織田 作之助
Leggi 世相 (せそう) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 32.089 caratteri · 64 schermate
三
不良少年はお前だと言われるともはやますます不良になって、何だいと尻を捲くるのがせめてもの自尊心だ。闇に葬るなら葬れと、私は破れかぶれの気持で書き続けて行った。
三
あれから五年になると、夏の夜の「ダイス」を想い出しながら、私は夜更けの書斎で一人水洟をすすった。
扇風機の前で胸をひろげていたマダムの想出も、雨戸の隙間から吹き込む師走の風に首をすくめながらでは、色気も悩ましさもなく、古い写真のように色あせていた。踊子の太った足も、場末の閑散な冬のレヴュ小屋で見れば、赤く寒肌立って、かえって見ている方が悲しくうらぶれてしまう。興冷めた顔で洟をかんでいると、家人が寝巻の上に羽織をひっかけて、上って来た。砂糖代りのズルチンを入れた紅茶を持って来たのである。
「夜中におなかがすいたら、水屋の中に餅がはいってますから……」勝手に焼いて食べろ、あたしは寝ますからと降りて行こうとするのを呼び停めて、
「あの原稿どこにあるか知らんか。『十銭芸者』――いつか雑誌社から戻って来た原稿だ」十日掛って脱稿すると、すぐある雑誌社へ送ったのだが、案の定検閲を通りそうになかったのである。