Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちょうさきかん

中井正一評論集

中井 正一

Leggi 中井正一評論集 (ちょうさきかん) di 中井 正一 (なかいまさかず) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.229 caratteri · 256 schermate

Aozora Bunko

絵画の不安

真に在るものは不安の上にある、というハイデッガーの考えかたには何ものか深いものがある。存在して、しかも存在のさながらの姿より隔てられているという嘆き。存在のふるさとに還りたきのぞみ。それがわれわれの「今」であり、「ここ」であり、「自分」の露わな現つである、と彼はいう。

その意味で、真の自分の姿は永遠なる「問い」の上にある。

言葉の上に、光の上に、音の上に、人は問いを、問いの上にまた問いを重ねる。それは真に在りたい深いねがいである。

われわれが存在の中に在りながら、画布をもってそれを隔て、それに寂かに立ち向うのは、在るものがそのさながらに向ってなす「問い」の設立である。

存在が存在に向ってなす「問い」の設立、そこに画布の意味がある。自分を自分から画布をもって隔ち、画布をもって押しやること、それは自分が自分に向ってなす親しき問いである。

自分が自分から隔てられているその隙虚に、あるいは画布は寂かに滑り入るともいえよう。

われわれの前にまずある白い画布は、実にいまだ問われざる一つの疑問記号である。われわれが今ここに在りながらしかも真に在らざる不安、それが画布の寂しき白さである。