Classici giapponesi con furigana
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しょうひんよっつ
中勘助随筆集
中 勘助
Leggi 中勘助随筆集 (しょうひんよっつ) di 中 勘助 (なかかんすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.694 caratteri · 32 schermate
折紙
他のものは暗紅に紫黒と海老色の帯をまとって、ところどころ鳥糞ににた白い斑点がついている。これは夕ばえの天の姿である。これらの二つをならべてその蝶つがいをからだとみれば、それはまた二羽の孔雀の競いかに尾羽根をひろげたさまである。美しいかさねをきた子安貝、なないろのさざ波のよるとこぶし。巻貝、笠貝、雲がた貝。月日貝は幸ある子かな。くれないの朝日と、淡黄の夕月と、貴い父ははのかいなに抱かれて南の海に眠るという。あわれいみじきこれらのものよ。紅白の珊瑚の林に花とちり実と落ちた貝の殻は、竜の乙女が玉をみがいた踵にふまれて、その足指の白さに、爪のうすべにに、髪の紫に、瞳のみどりに染みてこの麗しい色は得たのであろう。わたつみの海の千ひろの底にしておのずからわが身にふさえる家をもち、ほどよい青の光の国に、あるいは螺鈿の穹窿のしたに、またはひとつ柱の迷宮のうちに、心しずかに夢みてすごす海のうからをねたく思う。
折紙
私はまたその妹とすごした海岸の夏をわすれたことはない。あの松原のなかで潮風の香をかぎ松をこえてくる海の音をききながら二人して折物をして遊んだとき、円窓のそとにはなぎの若木がならんで砂地のうえに涼しい紺色の影を落した。