Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なかみとけいしき

中味と形式

夏目 漱石

Leggi 中味と形式 (なかみとけいしき) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.539 caratteri · 31 schermate

Aozora Bunko

自分の親父が天下一の人物だなどは至極好い了見で結構です。それは余事であるが、とにかく先生や新聞などからして、日本にたった一人偉い人があって、その人は甲にも乙にも丙にも凌駕しているからあててみろというような数学的の問題を出す世の中だから子供から質問が出るのも無理はない。しかし困ります。楠正成と豊臣秀吉とどっちが偉いと云うが、見方でいろいろな結論もできるし、そう白でなければ黒といった風に手早く相場をつける訳にも行かないし、要するに複雑な智識があればあるほど面喰うようになります。

こんな例を御話しするのはただ馬鹿らしいから御笑草に御聞きに入れるまでの事だと御思いになるかも知れんが、実はそうではない。こう批評して見るとなるほど子供は幼稚で気の毒なものだとしかとれませんが、その幼稚で気の毒の事を大人たる我々があえてしているのだからはなはだ情ない次第で、私は大人として子供はかくのごとくたわいないものだという証拠に自分の娘や何かを例に引いたのではなく、かえって大人もまたこの例に洩れぬ迂愚なものだという事を証明したいと思ってちょっと分りやすい小児を例に用いたのであります。