Classici giapponesi con furigana
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ちゅうごくかいきしょうせつしゅう
中国怪奇小説集
岡本 綺堂
Leggi 中国怪奇小説集 (ちゅうごくかいきしょうせつしゅう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 179.458 caratteri · 363 schermate
呼びとめて子細を訊くと、女は涙ながらに答えた。
「わたくしの夫は小商いをしている者で、銭五十緡を元手にして鴨や鵞鳥を買い込み、それを舟に積んで売りあるいて、帰って来るとその元手だけをわたくしに渡して、残りの儲けで米を買ったり酒を買ったりすることになって居ります。きょうもその銭を渡されましたのを、わたくしが粗相で落してしまいまして、どうすることも出来ません。夫は気の短い人間ですから、腹立ちまぎれに撲ち殺されるかも知れません。それを思うと、いっそ身を投げて死んだ方が優しでございます」
「人間はいろいろだ」と、商人は嘆息した。「わたしも実は寿命が尽きかかっているので、もし金で助かるものならば、金銀を山に積んでも厭わないと思っているのに、ここには又わずかの金にかえて寿命を縮めようとしている人もある。決して心配しなさるな。そのくらいの銭はわたしがどうにもして上げる」
彼は百緡の銭をあたえると、女は幾たびか拝謝して立ち去った。商人はそれから家へ帰って、両親や親戚友人にも鬼眼が予言のことを打ち明け、万事を処理しておもむろに死期を待っていたが、その期日を過ぎても、彼の身になんの異状もなかった。