Classici giapponesi con furigana
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ぼしぞう
久生十蘭短篇選
久生 十蘭
Leggi 久生十蘭短篇選 (ぼしぞう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.344 caratteri · 96 schermate
デッサンはちがうけど、帯はマアベルのゴブランで、帯止は沈香の花鏡の透彫りというのは、いったいどういうことなんでしょう……へんだわどころの話ですか。大いにあやしいのよ。そんなうまい偶然なんてあり得るはずはない。誰かがあたしの着付を志貴子に知らせてやったんだとしか思えない。ご先客のなかに、そういうすばしっこいひとがいたと、考えられなくもないけど、仮りにあの場から電話で知らしてやったとしても、わずかの間に、着物から帯止まで、こちらとそっくりおなじものを揃えるなんて、どんな奇術をつかったって、出来るわけのものではないんですから、考えれば考えるほどわけがわからなくなって、ぼんやりしてしまったわ。ひどくやられちゃって、腹をたてる気力もないの。
ええもう、そこまでおっしゃってくださらなくとも結構よ。おむこうさまは、あたしのようなずんぐりむっくりとちがって、すらりしゃんとしていらっしゃるんですから、おなじ吉野のひき立つことといったら、着手がちがうと、こうまで変るものかと、つくづく見惚れたくらい……
そうそう、その話ね。のぼせちゃって、かんじんなところを読み落すところだったわ……木津さん? 待合にいたのよ。