Classici giapponesi con furigana
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ぼしぞう
久生十蘭短篇選
久生 十蘭
Leggi 久生十蘭短篇選 (ぼしぞう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.344 caratteri · 96 schermate
泰文はかねて手なずけていたあぶれ者に天羽の寝所を襲わせて車部屋へひきこむと、いつそんなものを作ったのか、柱に十文字にぶっちがえた磔木に縛りつけてまず鞭で精一杯に撲りつけた。
「本当のことを言ってもらいたい。保平が朝霞のところでなにをしていたか、あなたはよく知っているはずだ」
「私はなにも知らない。この二十日ばかり、保平殿は私を疎外し、打明けたことはなにもいってくれない」
泰文はあぶれ者を呼びこみ、天羽の手首を括り、縄の端を梁の環に通して網を引かせた。天羽は床から指四本のところまで吊りあげられ、十五分ばかりは頑張っていたが、腕が抜けそうになったところでいった。
「おろしてください。知っているだけのことを言います」
天羽をおろすと、あぶれ者どもを車部屋から追いだし、天羽と二人だけ残った。
「さあ言え」
「保平殿の供をして、北ノ殿の近くへ三度ばかり行ったが、それ以上のことはなにも知らない。と申すのは、明け方まで中庭で待っているのが例だったからです」
あぶれ者が呼びこまれ、天羽はまた梁に吊りあげられた。こんどはすぐ降参した。
「本当のことをいいます、保平殿が奥方とねんごろにしていることはとくに気がついていました。