Classici giapponesi con furigana
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ぼしぞう
久生十蘭短篇選
久生 十蘭
Leggi 久生十蘭短篇選 (ぼしぞう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.344 caratteri · 96 schermate
「そうですか。そうしてください」
清成が几帳の蔭から花世を抱きあげて出て行ったが、すぐ戻ってきた。
「ではやるから」
「いまさらのようですが、保平とはまるっきりなにもなかったのです」
「そうだろう。しかしこういう評判が立ったのだから、なんともいたしかたがない。あきらめてもらうほかはない」
「わかっています」
「怖くないように帛で眼隠しをしてやる。なあに、すぐすんでしまうから」
「どうでもよろしいように」
清成が几帳の平絹をとって朝霞の顔にかけると、清経が綱を持って朝霞のうしろにまわった。綱の塩梅をして、棒をカセにして締めだしたが、うまくいかないのでべつな綱をとりに行こうとした。足音を聞いて朝霞が顔から帛をとった。
「いったいまあなにをしているんです」
清成がふりかえりながらいった。
「この綱はよく滑らないから、べつなのを探してくる」
そういって出て行った。間もなく車部屋から簾の吊紐をとって帰ってきて、眼隠しをするところからやりなおしたが、その紐もぐあいが悪いかしてまたやめてしまった。
「どうしたんです」
「それもぐあいがわるい」
また綱を探しに行き、棕梠の縄をもってきてそれに燈油をとって塗った。