Classici giapponesi con furigana
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ここのつのかぎ
九つの鍵
野村 胡堂
Leggi 九つの鍵 (ここのつのかぎ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.349 caratteri · 42 schermate
愛子の行くえ
「それを考えようじゃないか、三ぶちゃんの頭脳で、それがわからないはずはないと思うが――」
照国の誠一は何やら見抜いたようです。
愛子の行くえ
ふたりはしばらく顔を見合せました。理智的で聡明で、数学の天才と言われた狩屋三郎ですが、妹の危難に顛倒して、さすがに物事を整理して考える余裕を失っていたのです。
照国の誠一は空想的で詩人で、日頃は頭脳の冷たい人間ではありませんが、飛躍する想像力を持っているだけに、探偵にはかえって向くのかもわかりません。
何はともあれ、ふたりにとっては愛子はこの世の宝でした。清らかで優しくてピアノが上手でかわいらしくて、朝から晩まで一緒に生活している者に、何とも言えない幸福感を与えるたちの少女だったのです。
「で、君はどんな事を考えたんだ?」
三郎は改めて訊ねました。
「いいか、三ぶちゃん、君は愛ちゃんが宙釣りになって、この屋上に引上げられるとすぐ横へ廻って馬吉君姉弟に案内してもらい、裏の狭い口から潜り込んだと言ったね」
「その通りだよ」
「その間に妙な詭計が行われたのだ――君の体力で、この屋上からビルディングの外側を、窓わくと雨樋とバルコニーを伝わって、下へおりる工夫はないか」