Classici giapponesi con furigana
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ふたつのいえをつなぐかいそう
二つの家を繋ぐ回想
宮本 百合子
Leggi 二つの家を繋ぐ回想 (ふたつのいえをつなぐかいそう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.480 caratteri · 37 schermate
けれども、十一月に入り、新年が近づくにつれ、自分のその冷静な頭脳の明るみは、次第に他の感情で包まれるようになって来た。
仕方がない。彼女の解って呉れる迄、自分は自分の生活を、すっかり独りで営もう、と云う自足の感情は、やがて、此、淋しく離れ離れになった有様で、新らしい元旦を迎えなければならないか、と云う、淋しい孤独感となって来た。
大晦日や元旦の朝を、自分は子供の時から、いつにも増して賑やかに、家族揃って歓び迎える習慣をつけられて居た。
クリスマスの贈物も、大晦日まで繰のべられる。部屋部屋の大掃除、灯がついてから正月の花を持って来る花屋、しまって置いた屠蘇の道具を出す騒ぎ。其処へ六時頃、父上が、外気の寒さで赤らんだ顔を上機嫌にくずし乍ら、
「どうですね、仕度は出来ましたか」
と、何か紙包を持って帰宅されるだろう。
私や父は、いつも、家中の者に、何か一つずつ、気に入りそうな贈物を買い調えた。自分は早くから、父はその晩、皆の歓声をあげさせるような何物かを持って居るのだ。
御きまりの、然し愉快な晩餐。それがすむと、私が
「さあ、皆、眼をつぶって!」
と、大きな盆の上に、綺麗に飾った包物を盛りあげて、正面の大扉から現れる。