Classici giapponesi con furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Leggi 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 113.429 caratteri · 227 schermate
へんにまぶたのはれて見える顔は、頭のはたらきを失ったようにぼんやりしていた。その膝の上へ、
「マッちゃん、これ、百合の花の弁当箱よ。あんたが学校にこられるようになったら、つかいなさいね」
あまりうれしそうにもせず、松江はこっくりをした。
「早く、学校へこられるといいわね」
いってしまって、はっとした。それは赤ん坊に早く死ねということになるのだ。思わず赤くなったが、松江たち父子には、はっきりひびかなかったらしく、ただ感謝のまなざしでうけとられた。
まもなく、赤ん坊がなくなったと聞き、松江のためにほっとしたのだが、松江はなかなか姿を見せなかった。マスノやコトエたちにようすをきいてもらちがあかず、先生はとうとう手紙をかいた。十日ほどまえになる。
――松江さん、赤ちゃんのユリエちゃんは、ほんとに かわいそうなことをしましたね。でももう それはしかたがありませんから、心の中でかわいがってあげることにして、あなたは元気をだしなさいね。学校へは、いつからこられますか。先生は、まい日マッちゃんのからっぽのせきを見ては、マッちゃんのことを考えています。
早くこい こい マッちゃん。