Classici giapponesi con furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Leggi 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 113.429 caratteri · 227 schermate
「わあ、どうしよう!」
早苗は子どものように大声をあげた。
「あたったの? 二人ともきたの?」
「いいえ、ひとりです。ひとり。あてて? わあ、もうわかったわ。いるんだもん」
三人はもう水月の前にきていた。見ていたのか玄関には小ツルやマスノをまん中にして、ずらりとならんでいたのだ。黒めがねの磯吉にどきんとしている大石先生の肩へ、いきなりしがみついて泣きだしたのは、マスノの横に立っていた、どことなくいきなつくりの着物をきた女だった。
「せんせ、わたし、松江です」
名のられるまえに、先生もすぐ気がついた。
「まあ、ほんとに珍らしい顔。よくきたわねマッちゃん、ほんとに、よく。ありがとうマッちゃん」
松江はしゃくりあげながら、
「マスノさんから手紙もらいましてな、こんなときをはずしたら、もう一生仲間はずれじゃと思うて、恥も外聞もかなぐりすててとんできました。先生、かんにんしてください」
それこそ恥も外聞もなく泣きだすのをみると、マスノはわざと衿がみをつかんでひきもどしながら、
「これ、マッちゃんひとりの先生じゃありませんぞ。さ、いいかげんで、上へ行こう、行こう」
やっぱり海に向かった座敷だった。