Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
にひゃくとおか
二百十日
Leggi 二百十日 (にひゃくとおか) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 29.466 caratteri · 60 schermate
――おい。――おいって云うのにおい。なぜ黙ってるんだ」
「ええ」
「大丈夫かい」
「何が」
「口は利けるかい」
「利けるさ」
「それじゃ、なぜ黙ってるんだ」
「ちょっと考えていた」
「何を」
「穴から出る工夫をさ」
「全体何だって、そんな所へ落ちたんだい」
「早く君に安心させようと思って、草山ばかり見つめていたもんだから、つい足元が御留守になって、落ちてしまった」
「それじゃ、僕のために落ちたようなものだ。気の毒だな、どうかして上がって貰えないかな、君」
「そうさな。――なに僕は構わないよ。それよりか。君、早く立ちたまえ。そう草で腹を冷やしちゃ毒だ」
「腹なんかどうでもいいさ」
「痛むんだろう」
「痛む事は痛むさ」
「だから、ともかくも立ちたまえ。そのうち僕がここで出る工夫を考えて置くから」
「考えたら、呼ぶんだぜ。僕も考えるから」
「よし」
会話はしばらく途切れる。草の中に立って碌さんが覚束なく四方を見渡すと、向うの草山へぶつかった黒雲が、峰の半腹で、どっと崩れて海のように濁ったものが頭を去る五六尺の所まで押し寄せてくる。時計はもう五時に近い。山のなかばはたださえ薄暗くなる時分だ。