Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にひゃくとおか

二百十日

夏目 漱石

Leggi 二百十日 (にひゃくとおか) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 29.466 caratteri · 60 schermate

Aozora Bunko

「出直して来ちゃ気が済まない」

「いろいろなものに済まないんだね。君は元来強情過ぎるよ」

「そうでもないさ」

「だって、今までただの一遍でも僕の云う事を聞いた事がないぜ」

「幾度もあるよ」

「なに一度もない」

「昨日も聞いてるじゃないか。谷から上がってから、僕が登ろうと主張したのを、君が何でも下りようと云うから、ここまで引き返したじゃないか」

「昨日は格別さ。二百十日だもの。その代り僕は饂飩を何遍も喰ってるじゃないか」

「ハハハハ、ともかくも……」

「まあいいよ。談判はあとにして、ここに宿の人が待ってるから……」

「そうか」

「おい、君」

「ええ」

「君じゃない。君さ、おい宿の先生」

「ねえ」

「君は御者かい」

「いいえ」

「じゃ御亭主かい」

「いいえ」

「じゃ何だい」

「雇人で……」

「おやおや。それじゃ何にもならない。君、この男は御者でも亭主でもないんだとさ」

「うん、それがどうしたんだ」

「どうしたんだって――まあ好いや、それじゃ。いいよ、君、彼方へ行っても好いよ」

「ねえ。では御二人さんとも馬車で御越しになりますか」

「そこが今悶着中さ」

「へへへへ。八時の馬車はもう直ぐ、支度が出来ます」