Classici giapponesi con furigana
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にじゅうしんぞう
二重心臓
夢野 久作
Leggi 二重心臓 (にじゅうしんぞう) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.188 caratteri · 129 schermate
ホントは実に涙もろい、純情の強い人間なんだよ」
「呉羽さんはエライ女ですよ。何でも御存じですからね。悪魔派の新体詩だの、未来派の絵の批評が出来るんだから僕、驚いちゃった」
「ウム。わしの感化を受けとるかも知れん。わしも元来は平凡な、涙もろい人間と思うが、あんまり早くエライ人間になろうと思うて、自分の性格を裏切った人生の逆コースを取って来たために、物の見え方や聞こえ方が、普通の人間と丸で違ってしもうた。悪魔のする事が好きで好きで叶わん性格になってしもうた。ハハハ。怖がらんでもええぞ美鳥……お前たち兄妹に対しては俺はチットモ悪魔じゃない。平凡な平凡な涙もろい人間だ……その平凡な平凡な人間に時々立帰ってホッと一息したいために、お前達を養っているのだ……イヤ詰まらん事を云うた。それじゃ又、晩に来なさい。夕飯の準備が出来たら女中を迎えに遣るから……」
「おじさま……さようなら……」
「先生……さようなら……」
「ああ。さようなら……」
二人が退場すると轟氏呼鈴を押し、這入って来た女中に三枝を呼んで来るように命じ、そのまま寝椅子に長くなる。
大きな桃割。真赤な振袖。金糸ずくめの帯を立矢の字に結んだ呉羽がイソイソと登場する。