Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

にじゅうしんぞう

二重心臓

夢野 久作

Leggi 二重心臓 (にじゅうしんぞう) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.188 caratteri · 129 schermate

Aozora Bunko

呉羽は虚空を掴んだままの轟氏の両手を避けながら、刺さっている刃物の十字形のを、鼻紙で用心深く拭い上げ、事務机の一番下の曳出から生蕃小僧の脅迫状を探し出して、その中の一枚を元に返しながら懐中し、曳出の表面に残っている指紋に呼吸を吐きかけ吐きかけ念入りに鼻紙で拭き取っている中に、窓硝子をコツコツとたたく音を聞付け、ハッとして振返る。

窓の外の生蕃小僧、覆面を除き、白い歯を露わしつつ眼を細くして笑い、ここを開けよという風に手真似をする。呉羽はわななく手で曳出しからピストルを取出し、襦袢の袖に包み、引金に指をかけながら近付き、やはり襦袢の袖でネジを捻じって窓を開ける。生蕃小僧は外に立ったまま依然として笑いながら声をひそめる。

「呉羽さん。相変らず綺麗ですなあ」

「……………………」

「私ゃこれで貴女の生命がけのファンなんだよ。ドンナに危い思いをしても、貴女の芝居ばっかりは一度も欠かした事はないし、ブロマイドだって千枚以上蓄めているんだぜ。ハハ」

「……………………」

「しかし、心配しなくともいいんだよ。どうもしやせんから……あっしはねえ……」

「……………………」