Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にじゅうしんぞう

二重心臓

夢野 久作

Leggi 二重心臓 (にじゅうしんぞう) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.188 caratteri · 129 schermate

Aozora Bunko

だから、つまり目的は宣伝に在ったのだね。これは彼等の本能なんだから、深く咎めるには当らないよ。司法主任も検事も苦笑しておったよ」

「ソレッキリですか」

「イヤ……それから呉羽嬢はコンナ事を云い出しおった。……ハッキリとは申上られませんが、轟はこの四五日前から何だかソワソワしていたように思います。今までドンナ悲況に陥っておりましても、私を見ると直ぐにニコニコして何か話かけたりしておりましたものが、この頃はソンナ気振も見せませぬ。ただ緊張した憂鬱な、神経質な顔をして、私が何か云おうとしましてもチラチラと瞬きした切り自分の部屋へ逃込んで行きます。もちろん、その原因は私にはわかりかねますが、轟の劇場関係と、財産関係の仕事は皆、呉服橋劇場の支配人の笠圭之介さんが一人で仕切って受持っておられます。大正十年の三月七日といえば、私が三つの年の事ですから、何事も記憶に残っておりませぬ。私はその三つの年に何かの事情で、年老いた両親の手から引取られて轟の世話になって来ておりますので、それから今年までの二十年間、轟は独身のまま私を育てるために色々と苦労をしておりますが、詳しい話は存じませんと巧妙に逃げおった」